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伝伝虫通信バックナンバー 通巻29号 ①
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世界中で児童労働に従事している子どもたちは、約2億1,800万人

児童労働とは・・・概ね15才未満の子どもたちが、十分な教育や成長の機会を与えられずに働くことをいいます。また、18才未満の子どもが心身の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働に従事している場合は「最悪の形態の児童労働」といいます。

働く子どもたち エピソード13

ミャンマー
面積:676,578k㎡(日本の1.8倍)
人口:約5,002万人 首都:ネーピードー

学校建設

学校建設

アジアチャイルドサポートは、これまでにカンボジア、ミャンマー、ネパール、モンゴルの4カ国で75校の学校建築を行ってきました。工事を行う際に最も大変なのがミャンマー、エヤワディー管区です。

イラワジ河流域のデルタ地帯に位置するエヤワディー管区の村々を繋ぐ道は無く、河を船で行くしかありません。車がほとんど使えないため、建築資材を運ぶのは大変な作業。村にたどり着く川の大きさで船を変える。大型船から小型、中型、カヌーに変えて資材を積みかえ、時間をかけて鉄筋、材木、トタンなどを、村に運び込みます。ただ、重量も数も多いレンガだけは船で運ぶのは難しい。その為、最初に学校建設現場の村にレンガ工場を造ります。その後、建設会社の社員(大工)たちが寝泊りをする住宅も建て、食事などの面倒を見てくれる方も採用します。これだけの準備を整え、建築資材を運び込み、やっと工事が始まるのです。資材搬入のためにも日本では考えられないほどの時間と労力が、かかってしまいます。

建築費を抑えるためには、どうしても村人の協力が必要です。建築資材や砂の運び込み、レンガ製作などに、男も女も、大人も子どもも、みんなで学校を建築するのです。子ども達はもちろんですが、大人たちも喜んで力を貸してくれる。人々の教育に対する思いは深いものがあります。

子どもたちは、とにかくよく働く。資材や砂を積んだ船が村の桟橋に着くと、子ども達は、もっぱら砂運びが役目。かごや袋に砂を積め、それを頭に乗せて運ぶ子ども。大人と共に木製の一輪車で運ぶ子どもたちもいます。桟橋から建設現場まで1キロ近い距離の村もある。大変な重労働です。袋やかごに積めた砂の重さは20キロ近い。熱帯地域のミャンマーは真昼になると気温は40度近くにもなります。ギラギラ照りつける太陽の下で子ども達は汗をぬぐうことも無く、ただひたすらに砂を運ぶ。

子ども達の表情を見ていると、嫌々ながら働いている子どもは誰一人居ません。太陽の光に負けないぐらいの笑顔です。立派な学校が出来る。やっと勉強が出来ると希望と喜びに満ち溢れています。1日でも早く完成させるために、毎日、喜び勇んで学校建設現場に駆けつけてくる。

アジアチャイルドサポートが建設した学校で、すでに3万人を超える子どもたちが勉強しています。真剣に学ぶ子ども達の姿を見ていると嬉しくてたまりません。会員の皆さんの善意が、ミャンマーの子ども達の希望となっています。

※ミャンマーは日本とは教育制度が違います。学校は国や県などの行政が建てるのではなく、村人達が校舎を建てたら、国が教師を派遣する制度です。しかし、村人達は貧しく現金収入はほとんど有りません。その為、子ども達は竹と椰子の葉で出来たボロ小屋で勉強せざるを得ません。雨季になると教室の中は水浸し状態。仕方なく、半年もの間、学校が閉鎖されてしまいます。

平成22年度事業総括概要

1 月
  • スリランカ・パラクラマバフナショナルスクール奨学金(43名)
スリランカ・パラクラマバフナショナルスクール奨学金(43名)

貧しくて学校へ通えない子どもたち43名が勉強できるようになりました。クラブ活動にも積極的に取り組み、空手・太鼓・踊りの競技大会に出場し、上位に入賞。女子サッカーはスリランカ全国大会で優勝し、奨学生3名が大きな原動力となりました。

4 月
  • ネパール・マハンカール小学校給食支援

124名の子どもたちが栄養のある給食を食べれるようになりました。栄養失調で学校へ通えなかった子どもも元気に登校しています。

  • カンボジア・プノンペン市センソック小学校において障がい者学級支援開始
カンボジア・プノンペン市センソック小学校において障がい者学級支援開始
7 月
  • ネパール・パタリケット村 女性自立支援センター完成
ネパール・パタリケット村 女性自立支援センター完成

女性多目的共済組合(組合人数350名)の活動拠点となります。

活動内容
①組合員が毎月のお金を積み立て、女性の自立時に(家畜購入等)資金を貸付する。
②料理指導、健康相談、避妊指導、読み書き等生活全般の学習の場として利用されます。

  • ネパール・バイオガスコンロ50基完成

地方の多くの家庭では、屋内でまきを焚いているため、煙りが充満し視覚、呼吸器などの病気を引き起こす場合がある。牛と人間の排泄分で発生したガスを地下タンクに溜め、コンロとして活用するバイオガスコンロの設置要請を受け、50基(50世帯)を支援する。毎日コンロ1時間弱のガスが溜まる。料理を作るには十分です。

8 月
  • ネパール・奨学金支援開始

ネパール・奨学金支援開始

9 月
  • カンボジア・カンダール州スワイアンピア小学校完成

500名の子どもたちが学びます。全員分の制服(当団体の元ハンセン病患者が運営する縫製工場で製作)と通学用黄色帽子・ノートなど学用品も贈る。

  • スリランカ・ケガル村障がい者支援(15名)
スリランカ・ケガル村障がい者支援

政府の援助がない障がい者に対して①食料配布②文字の読み書き③絵、音楽ダンスのトレーニング④入浴など自分でできる行動の練習を実施。暗く引き篭っていた子どもたちが希望を持ち、見違えるような笑顔を見せてくれました。

  • スリランカ・ウルミウェラ村ゴムの木農園児童労働者支援(15名)

差別を受けていた少数民族に対して①食料配布②教科書学用品の配布③農業技術の指導④健康・衛生的習慣の改善等を実施。

  • カンボジア・メコン大学日本語学科奨学金50名

優秀ではあるが経済的に厳しい学生に対し全額費を支援しています。卒業後はカンボジアに進出する日本企業の橋渡し役として重要な役割を担っていきます。

  • 日本語検定試験受験科支援制度開始

カンボジア・メコン大学日本語学科奨学金50名

10 月
  • ミャンマー・アシュエ・ウエダウ小学校完成
ミャンマー・アシュエ・ウエダウ小学校完成

200名の子どもたちが入学しました。落成式典では近隣の5村から通う子どもたちが集まり歌や踊りで大歓迎を受けました。