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伝伝虫通信バックナンバー 通巻31号 ③
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奨学生から日本の皆様へ

カンボジア メコン大学に通う奨学生よりお礼のお手紙をいただきました。
カンボジア メコン大学日本語ビジネス科4年 スレイシネット

 私は、カンボジア メコン大学で日本語ビジネスの勉強をしているスレイシネットと申します。今、4年生で卒業論文を書いています。頑張って日本語を勉強して、今では会話は理解できるようになりました。
 私は孤児です。12歳のとき父親が病気で亡くなり、3年後母も病気で亡くなってしまいました。その後、2番目の姉と田舎でとうもろこし畑やゴマ畑で農業をしながら毎日大変な生活をおくっていました。その姉が結婚をする事になり、私はシェムリアップの兄の元へ行くことになりました。高校に通いながら夜はお土産を販売したりして生活をしていました。
 1年後兄が結婚、兄夫婦との生活が始まりました。兄の奥さんとは仲があまり良くありません。何かあるとすべて私のせいになりとても辛い思いをしました。そんな生活が続く中、兄が見つけた新聞記事でアジアチャイルドサポートの奨学金の事を知り、受けることにしました。
 日本について高校時代から大変興味があったため、試験に合格した時はいままでよりももっと多くのことが学べる事に兄とともに大喜びしました。今年に入り、日本の奈良産業大学へ行き一ヶ月短期研修をする事もできました。日本はとても素晴らしい国です。優しく親切な方も沢山いました。まだまだ日本へ行き学びたいことが沢山あるので、頑張って日本語の勉強を続けていこうと思います。また、どうやってここまで発展したか調査してみたいと思います。
 今は4年間日本語ビジネス学科で学んだことを生かし、アジアチャイルドサポートのカンボジア事務所でインターシップをしています。将来は、日本のNGOなどに勤め日本の方と一緒に働きたいです。
 こんな貧しかった私を4年間勉強ができるように支えてくださった日本の皆さんに心から感謝致します。
 最後に、東日本大震災で被災された皆様、一刻も早い復興とご健康を心からお祈りしております。
カンボジア メコン大学日本語学科奨学生は現在50名

僕はお医者さんになって、たくさんの貧しい人を救いたい

スリランカの奨学生バンドゥラくん(17歳)

「優秀だけど学校へ行かない子どもがいる」バンドゥラくんの情報が、当団体が支援している Parakramanabahu National School の校長先生の耳に入りました。早速、面接をお願いしましたが、会場までのバス代がありません。校長先生がバス代を支払い、事情を確認し、入学させることになりました。

バンドゥラくんは、高校1年生、数年前は貧しさのあまり、学校に通うことをあきらめていました。しかし、アジアチャイルドサポートに出会い奨学金を受けるようになり、現在は来年8月に行われる国立大学医学部試験に向けて、毎日猛勉強しています。

彼はプットゥラ県ナーサディア町に生まれました。父は心の病で、まともに働くことができません。母は14歳のときに亡くなりました。兄弟はいません。一家の収入はほとんどなく、父とバンドゥラくんはお坊さんからご飯を分けてもらい命を繋げていました。

最初は地元の学校へ通っていましたが、ノート、えんぴつを買うお金がありません。でも勉強は一生懸命しました。学校代表として留学生に何度も推薦されますが、生活費、電車代、カバン、くつ、肌着などを準備できず、寂しい思いで辞退していました。担任の先生から、「授業で使う道具を家から持って来て下さい」と言われましたが、父に相談することはできません。自分の貧しさが嫌になり、勉強への意欲もなくなり、大好きだった学校に通うのをやめて家に閉じこもるようになりました。

お金がなく病気で苦しんでいる人々を治して元気にしてあげたい

新しい学校に入り、学用品もそろい、担任の先生が母代わりとなり安心して学校に通える環境が整いました。再び勉強する意欲が湧き、いつの日か、お医者さんを目指すようになりました。「なぜお医者さんを?」と聞くと「僕は、いままで貧しくて、辛く悲しい生活を過ごしてきた。誰も見向きもしない、誰も助けてくれないと思っていた。

そんな人たちを一番に助けるのがお医者さんなんです。僕と同じ思いをしている人の助けになりたい。お金がなく病気で苦しんでいる人々を治して元気にしてあげたいのです。僕はお医者さんになったら、スリランカのどんな田舎でも働きます。スリランカに病気の日本人がいたら、どんなところへも飛んで行き無償で治療します。日本人からは、絶対にお金はとりません。

それがアジアチャイルドサポートへの恩返しです。頑張ったら良いことがある、奨学金は僕の人生を大きく変えてくれました」力強い口調で語り、希望に満ちた目は清んでとても輝いていました。英語も堪能なバンドゥラくんは、来年カリフォルニア大学に研修生として招待されました。もちろん今度は参加します。

校長先生とバンドゥラくん
10月14日新刊発売!「最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること」特典映像DVD付き
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