カンボジア メコン大学に通う奨学生よりお礼のお手紙をいただきました。
カンボジア メコン大学日本語ビジネス科4年 スレイシネット
「優秀だけど学校へ行かない子どもがいる」バンドゥラくんの情報が、当団体が支援している Parakramanabahu National School の校長先生の耳に入りました。早速、面接をお願いしましたが、会場までのバス代がありません。校長先生がバス代を支払い、事情を確認し、入学させることになりました。
バンドゥラくんは、高校1年生、数年前は貧しさのあまり、学校に通うことをあきらめていました。しかし、アジアチャイルドサポートに出会い奨学金を受けるようになり、現在は来年8月に行われる国立大学医学部試験に向けて、毎日猛勉強しています。
彼はプットゥラ県ナーサディア町に生まれました。父は心の病で、まともに働くことができません。母は14歳のときに亡くなりました。兄弟はいません。一家の収入はほとんどなく、父とバンドゥラくんはお坊さんからご飯を分けてもらい命を繋げていました。
最初は地元の学校へ通っていましたが、ノート、えんぴつを買うお金がありません。でも勉強は一生懸命しました。学校代表として留学生に何度も推薦されますが、生活費、電車代、カバン、くつ、肌着などを準備できず、寂しい思いで辞退していました。担任の先生から、「授業で使う道具を家から持って来て下さい」と言われましたが、父に相談することはできません。自分の貧しさが嫌になり、勉強への意欲もなくなり、大好きだった学校に通うのをやめて家に閉じこもるようになりました。
新しい学校に入り、学用品もそろい、担任の先生が母代わりとなり安心して学校に通える環境が整いました。再び勉強する意欲が湧き、いつの日か、お医者さんを目指すようになりました。「なぜお医者さんを?」と聞くと「僕は、いままで貧しくて、辛く悲しい生活を過ごしてきた。誰も見向きもしない、誰も助けてくれないと思っていた。
そんな人たちを一番に助けるのがお医者さんなんです。僕と同じ思いをしている人の助けになりたい。お金がなく病気で苦しんでいる人々を治して元気にしてあげたいのです。僕はお医者さんになったら、スリランカのどんな田舎でも働きます。スリランカに病気の日本人がいたら、どんなところへも飛んで行き無償で治療します。日本人からは、絶対にお金はとりません。
それがアジアチャイルドサポートへの恩返しです。頑張ったら良いことがある、奨学金は僕の人生を大きく変えてくれました」力強い口調で語り、希望に満ちた目は清んでとても輝いていました。英語も堪能なバンドゥラくんは、来年カリフォルニア大学に研修生として招待されました。もちろん今度は参加します。