ネパールではHIV感染者に対する冷たい仕打ちが絶えず、心の支えとなるべき家族ですらその例外ではありません。当団体ではそんな居場所をなくしたHIV感染者の命を守るべく、保護施設を支援しています。
相談者は施設に宿泊しながら、HIV検査・治療を受けることができます。滞在中は食事も提供しています。またカウンセリングによる差別で傷ついた心のケアも行なっています。薬も進化し治療を継続すれば健常者とかわらない寿命まで生きる可能性があることを伝えています。平成27年度は約420名の方が入所し、病院での検査の後、適正な治療を受けるためのサポートを行ないました。
もう一つの大きな使命として、一般向けにHIVの正しい情報を発信しています。HIVは感染力は弱く、日常生活で簡単には感染しませんが、現地では正しい情報が出回っておらず、偏見に溢れています。病気理解の周知徹底により、社会全体が変わっていくことを目標としています。また予防についてのキャンペーンを開催し、感染者の拡大防止を図っています。
7月の豪雨により全土の河川の支流が増水、本流のエヤワディ川に流れ込み、当団体が支援しているエヤワディ地域に被害を及ぼしました。畑や道路が水没し、多くの家屋が高い位置まで冠水したため、住民は屋根裏のわずかなスペースや小舟での生活を余儀なくされました。ミャンマー全体の被災者は1,629,405人。犠牲者121人・家屋倒壊17,099件・避難世帯402,059世帯。避難を強いられている数はミャンマー全体の実に三割にも及びました。
当団体は現地通信員を通じ、直ちに物資配布を中心とした救援活動を実施しました。ワート村、チャンポォー村、ノヤターゴン村、ニャウン・カー・ヤー村、アゥセ村、タペカラー村、タ・ロ・ト村、1,569世帯に、米12,500kg、魚缶詰2,217個、乾燥麺8,420個を配布。各村内の道路は冠水し、建物もほとんど冠水しているため、支援物資の配布は舟で行ないました。
かつて政府の方針や人々の誤解により、元ハンセン病患者は長らく差別を受けてきました。当団体では元患者に食料を支援。また自立サポートとして毎月250着の学生服を受注し、当団体が設立した小学校に配布しています。その結果洋裁技術が上達し、市場から直接注文を取れるようになった者もあり、自立につながっています。
ラオス国立大学文学部日本語学科の学生20名を対象に奨学金を支援しています。学業成績が優秀でありながら、経済的理由で高水準の教育を受けられない若者に学びの機会をもうけ、勉学意欲および学習環境の向上を図ります。
平成27年度も20人に支給、9月には6名が卒業、3名が交換留学生として日本大学に進学しています。9人の巣立ちに伴い、新規奨学生の選考会を行ないました。今回は学問を探求する機会が著しく少ない地方の学生に焦点を合わせました。厳しい競争の末、選ばれた学生は、日本語を学ぼうとする意志には、並々ならぬ熱意をもっています。
お金がなく、学校へ通えない子どもたちの「もっと勉強したい」という熱意を応援すべく立ち上げだ奨学金です。
今年度も43名に支給しています。子どもたちは、真新しい制服に嬉しそうに袖を通し、学校へ通っています。教科には、シンハラ語・タミル語・英語・算数・歴史・衛生・商学・農学・美術があり、将来社会に出て自分の力で切り開いて行くための基礎を学んでいます。友人と出会い、一緒に学び一緒に遊ぶ喜びを体験し、可愛らしい笑顔を見せてくれます。
水質汚染された池や川の水を飲み、感染症で命を落とす子どもたちがいます。乾季が訪れるとそんな池さえも枯れてしまいます。子どもたちは水汲みの仕事のため、何時間もさまよい続けます。学校にも行けなくなり、将来の道も閉ざされてしまいます。健康と子どもの将来のためにも、清潔な水源の井戸が必要です。
平成27年度は大型・小型合わせて50基の井戸が完成し、約2万人に安全な水がもたらされました。水は菜園にも利用され、食料自足の源にもなっています。井戸の周りには笑顔が見られるようになり、水の恵みが健康と生活だけではなく、幸福の根底にも関わることが改めて理解されました。
平成27年4月25日、カトマンズから北西約77kmを震源とするマグニチュード7.8の地震が発生しました。死者8千名以上、倒壊家屋87万戸以上(一部倒壊含む)という未曾有の災害となっていきました。当団体はいち早く支援をすべく、現地通信員を通じて情報収集し、調査結果をもちに緊急物資支援を開始しました。
青少年健全育成事業の一環として、当団体代表 池間哲郎が日本全国で行っている講演は、小中高校・大学・専門学校のみならず、企業・行政からの招聘も多く、年間200件前後行っています。アジア地域の発展途上国の貧困地域で生活に苦しむ人々を支援するとともに、彼らの真剣に生きる姿から、感謝の心、命の尊さ、一生懸命に生きることの大切さを伝えています。
講演主催者を中心に、支援者の皆様の企画や当団体独自の企画、学校でのパネル展示が各地で行われ、多くの方にご覧いただき、講演と同様に啓蒙事業の一環として大きな反響を頂いております。
学習意欲があるのにも関わらず経済的理由から学習塾に通えない子どもに無償で勉強を教えている団体への支援を行なっています。