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伝伝虫通信バックナンバー 通巻39号 ③
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皆様の温かいご寄付によって支えられています。心よりお礼申し上げます。

平成27年度活動報告(概要)

ネパール HIV感染者保護施設支援

滞在中は食事も提供

ネパールではHIV感染者に対する冷たい仕打ちが絶えず、心の支えとなるべき家族ですらその例外ではありません。当団体ではそんな居場所をなくしたHIV感染者の命を守るべく、保護施設を支援しています。

相談者は施設に宿泊しながら、HIV検査・治療を受けることができます。滞在中は食事も提供しています。またカウンセリングによる差別で傷ついた心のケアも行なっています。薬も進化し治療を継続すれば健常者とかわらない寿命まで生きる可能性があることを伝えています。平成27年度は約420名の方が入所し、病院での検査の後、適正な治療を受けるためのサポートを行ないました。

もう一つの大きな使命として、一般向けにHIVの正しい情報を発信しています。HIVは感染力は弱く、日常生活で簡単には感染しませんが、現地では正しい情報が出回っておらず、偏見に溢れています。病気理解の周知徹底により、社会全体が変わっていくことを目標としています。また予防についてのキャンペーンを開催し、感染者の拡大防止を図っています。

ミャンマー洪水被害者緊急支援

7月の豪雨により全土の河川の支流が増水、本流のエヤワディ川に流れ込み、当団体が支援しているエヤワディ地域に被害を及ぼしました。畑や道路が水没し、多くの家屋が高い位置まで冠水したため、住民は屋根裏のわずかなスペースや小舟での生活を余儀なくされました。ミャンマー全体の被災者は1,629,405人。犠牲者121人・家屋倒壊17,099件・避難世帯402,059世帯。避難を強いられている数はミャンマー全体の実に三割にも及びました。

当団体は現地通信員を通じ、直ちに物資配布を中心とした救援活動を実施しました。ワート村、チャンポォー村、ノヤターゴン村、ニャウン・カー・ヤー村、アゥセ村、タペカラー村、タ・ロ・ト村、1,569世帯に、米12,500kg、魚缶詰2,217個、乾燥麺8,420個を配布。各村内の道路は冠水し、建物もほとんど冠水しているため、支援物資の配布は舟で行ないました。

ミャンマー元ハンセン病感染者自立支援

かつて政府の方針や人々の誤解により、元ハンセン病患者は長らく差別を受けてきました。当団体では元患者に食料を支援。また自立サポートとして毎月250着の学生服を受注し、当団体が設立した小学校に配布しています。その結果洋裁技術が上達し、市場から直接注文を取れるようになった者もあり、自立につながっています。

ラオス・国立大学奨学金支援事業

ラオス国立大学文学部日本語学科の学生20名を対象に奨学金を支援しています。学業成績が優秀でありながら、経済的理由で高水準の教育を受けられない若者に学びの機会をもうけ、勉学意欲および学習環境の向上を図ります。

平成27年度も20人に支給、9月には6名が卒業、3名が交換留学生として日本大学に進学しています。9人の巣立ちに伴い、新規奨学生の選考会を行ないました。今回は学問を探求する機会が著しく少ない地方の学生に焦点を合わせました。厳しい競争の末、選ばれた学生は、日本語を学ぼうとする意志には、並々ならぬ熱意をもっています。

スリランカ ナショナルスクール奨学金

お金がなく、学校へ通えない子どもたちの「もっと勉強したい」という熱意を応援すべく立ち上げだ奨学金です。

今年度も43名に支給しています。子どもたちは、真新しい制服に嬉しそうに袖を通し、学校へ通っています。教科には、シンハラ語・タミル語・英語・算数・歴史・衛生・商学・農学・美術があり、将来社会に出て自分の力で切り開いて行くための基礎を学んでいます。友人と出会い、一緒に学び一緒に遊ぶ喜びを体験し、可愛らしい笑顔を見せてくれます。

ミャンマー・スリランカ・ラオス井戸建設事業

滞在中は食事も提供

水質汚染された池や川の水を飲み、感染症で命を落とす子どもたちがいます。乾季が訪れるとそんな池さえも枯れてしまいます。子どもたちは水汲みの仕事のため、何時間もさまよい続けます。学校にも行けなくなり、将来の道も閉ざされてしまいます。健康と子どもの将来のためにも、清潔な水源の井戸が必要です。

平成27年度は大型・小型合わせて50基の井戸が完成し、約2万人に安全な水がもたらされました。水は菜園にも利用され、食料自足の源にもなっています。井戸の周りには笑顔が見られるようになり、水の恵みが健康と生活だけではなく、幸福の根底にも関わることが改めて理解されました。

ネパール大地震被災者支援

平成27年4月25日、カトマンズから北西約77kmを震源とするマグニチュード7.8の地震が発生しました。死者8千名以上、倒壊家屋87万戸以上(一部倒壊含む)という未曾有の災害となっていきました。当団体はいち早く支援をすべく、現地通信員を通じて情報収集し、調査結果をもちに緊急物資支援を開始しました。

  1. パタリケット村支援
     パタリケット村では1100世帯のうち933戸の家屋が被害を受けました。当団体の建設した女性自立センターは軽微な破損はあったものの、躯体への影響はほとんどなかったため、家を失った人たちの避難所として利用されていました。調査結果をもとに防水シート・毛布・米などを緊急物資支援として決定、村での混乱を避けるため、村長をはじめとする有識者メンバーで特に緊急性の高い世帯のリストを作成し、村の3カ所で配布しました。
  2. マハンカール小学校支援
     当団体が給食支援を行なっているマハンカール小学校にて、蚊帳、蚊取線香、マスク、タオル、石鹸、洗剤、歯磨き等の衛生対策キットを配布。地震発生後、建物内に居たがらない子や、引きこもる情緒不安定な子どもたちに対し、非常食となる乾燥麺と併せて、精神的なメンタルケアとなるように、みんなで遊び、元気を取り戻す道具としてなわとび、サッカーボール、バレーボールを届けました。また特に大きな被害を受けた35世帯への追加支援の要望が村から入ったため、米、豆、油、塩を届けました。
  3. パンガ村瓦礫撤去
     多くの家屋が倒壊しましたが、政府の支援が行き届かない民間の家屋は放置された状態です。瓦礫を撤去することができず学校敷地や畑などに仮設住宅を建て生活していますが、学校から3か月以内の退去指示が出ています。畑の所有者からもいつ退去するようにいわれるか解らず不安なまま生活をしています。村人自身の土地に住むことが出来るように、瓦礫撤去の重機の手配、合わせてお米、毛布、タオル、蚊帳、蚊取線香等の支援も実施しました。

講演

青少年健全育成事業の一環として、当団体代表 池間哲郎が日本全国で行っている講演は、小中高校・大学・専門学校のみならず、企業・行政からの招聘も多く、年間200件前後行っています。アジア地域の発展途上国の貧困地域で生活に苦しむ人々を支援するとともに、彼らの真剣に生きる姿から、感謝の心、命の尊さ、一生懸命に生きることの大切さを伝えています。

パネル展示

講演主催者を中心に、支援者の皆様の企画や当団体独自の企画、学校でのパネル展示が各地で行われ、多くの方にご覧いただき、講演と同様に啓蒙事業の一環として大きな反響を頂いております。

沖縄市補習授業支援

学習意欲があるのにも関わらず経済的理由から学習塾に通えない子どもに無償で勉強を教えている団体への支援を行なっています。

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